万能ミドルSS!カワサキ ZX-6Rの試乗レポ

ミドルスポーツといえば

ミドルスポーツといえば、全盛期だったのは2000年代で、最近では勢いを失いつつあるというのが現状です。
そんな状況の中で、ブレずに同じスタンスを貫いているメーカーというのがカワサキだと言われています。

実際ミドルスポーツに絞ってみると、カワサキはパイオニア的な存在であり長きに渡って熟成を続けてきたという実績があるという面も見られます。
初代のZX-6Rのデビューが1995年であり、このシリーズは25年を迎えていることも考えると、なかなかの長寿車であるということも分かるでしょう。

基本構成は維持

ZX-6Rを見てみると、まず感じるのがアルミツインスパーフレームやエンジン自体の基本的な設計に関しては2013年の型から変化していないという点です。
しかし2019年以降の型に関してはニンジャ250や400寄りのデザインを採用したことによって外観の印象に関しては全く別物という印象を受けます。

LEDライトやギアポジションの表示が大きくなるなどに加えて、シートの足着き性が高まるなどの変化が先代とは異なっています。
そのため全体を見てみると、特性がストリート重視になっているという面が見られています。

ストリート重視だからと言って、戦闘力が低いというわけではありません。
最高出力は126psで装備重量も197kg という数値になっているので、数値を見ても十分な戦闘力を持っていると言えるのではないでしょうか。

魅力はエンジン!

ZX-6Rという車種を見たときに、、魅力はなんだろうかと考えるとやはりエンジンだと言えるでしょう。
ZX-6Rのかつてのライバル勢を見てみると、高回転高出力を推し進めていく傾向にありました。

それによって起きたのが低中回転域で物足りなさを感じてしまうという点です。
ZX-6Rは+37ccの排気量にすることによって、その課題を解消してどんな領域であっても加速力を十分に発揮できるという仕様に変化させてくれたというのはかなりポイントがデカいです。

さらに高回転域になるとミドルスポーツの特徴でもある爽快感を満喫できるというのも魅力になっています。
並列4気筒の美点をしっかりと引き出しているからこそ、ZX-6Rは扱いやすさを感じる車種になっているためとても貴重な存在です。

常用性もある

かつてのZX-6Rを見てみると、課題となっていたのが常用域が得意ではなかったという点です。
常用域が得意ではないと、普段使いがなかなかしずらいため利用するシーンも限られてくるという問題がありました。

しかしZX-6Rの636cc仕様の場合、フレンドリーさもあるので、ミドルスポーツの独特の難しい面を感じてしまうというシーンも左程ないのが嬉しいところです。

扱いやすさを重視するのであれば、もう少し高い位置にハンドルがあるというのが理想的ではあります。
しかしスポーツ性を維持するという面も考慮した上で絶妙な位置に設定されているのもまたZX-6Rの魅力と言えるでしょう。